2010年11月30日火曜日

『丸かん』の耐久性について

DSC03598.jpg

↑丸かんとは、このパーツのことです。

アクセサリーだけでなく、キーホルダーなんかにもよく使われています。
この丸かんでパーツとパーツをつなぎとめるので、
アクセサリー作りにはかなり必須なパーツです。

丸かんのクチが開いていることによって
他のパーツとパーツをつなげられる便利なパーツなんですが、
だけど、このクチが開いていることが、耐久性に問題なんです・・・。


先日、作成したコットンパールのリング(→)で使用しているリング台は
丸かんがついていて、そこに好みのパーツがとめられる構造だったので、
この丸かんはクチが開いているものでした。
こちら↓
切れ目が見えるところが開くところです。
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通常使用では問題なくても、
強い力で引っ張ったりすると、丸かんが開いて、パーツが取れてしまいます。
華奢なデザインのものほど、丸かんもデザインに合わせて華奢になるので
耐久性に不安がでてきます。
さらに、リングだと特に耐久性が要求されるアイテムなので
ますます不安が・・・。

貴金属で製作するジュエリーは、ロウ付けと言って
同種類の金属のロウで融着させ、丸かんを閉じてしまうので
こういう心配はありません。

でも、貴金属を使用しないプチプライスなアクセサリーや
天然石のビーズアクセサリーでは、火を使った作業は基本しません。
天然石に火はあてられないし。

ふつう、アクセサリーは丸かんをイチイチ、ロウ付けしたりしないので、
お店で売っているものも、丸かんに切れ目があるのがふつうです。
ただ、ジュエリー作る際には閉じるのが基本なので、
なんとなく気になっちゃうんですよね・・・。
悩むところです・・・。

今回のリング素材はsilver925+18KGPの貴金属だったので、
ロウ付けして、丸かんのクチを閉じることにしました。

ただ、火をかけると18Kのコーティングが溶けてしまいます。
溶けたところがこちら↓
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丸かんの開きはなくなりました。
白くなってるところは、火があたったことにより18Kコーティングがとれて、
シルバー素材が見えているところです。
18Kコーティングが均一ではなくなってしまうので、
再コーティングが必要になります。


再コーティング後がこちら↓
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メッキ業者に18Kメッキ依頼をします。
丸かんの開きもなくなり、18Kコーティングもきれいに仕上がりました。


結局、彫金の技術が必要になったので、
最初から全部自分で作ったほうがよかったってことになりました。
最初の18Kコーティングも無駄になったので、
コストも時間も倍以上かかったし。
このリング、買ってくれた方には、お待たせしちゃってホント申し訳なかったです・・・。

既製のパーツを使えず、貴金属を使って最初から作るとなると
どうしてもコストが高くなるので、
プチプライスな品を作るときには価格面で悩みます。
でも、丸かんの耐久性、気になっていたから、
心配するくらいなら、できるだけ使わないようにしたいなぁって思っています。

他のアイテムは『丸かんは注意』だけど、
リングは、より強く耐久性が求められるアイテムなので、
『丸かんは使用しない』に、今回決めました。